2011/3/25
 行き詰った時は、次の人生への好機


 

人生の一時期、誰でも行き詰る時があります。
 失敗して貧乏のどん底になったり、家族のことでもう精一杯だったり、あるいは事故・病気・災害など想定外の事態に遭遇して、不運のどん底に陥ることもあります。

 そんな時は、まず自分を省みるチャンスです。

 芥川賞作家で後に政治家になった、現・都知事の石原慎太郎氏が、こんな体験をしています。

 超売れっ子作家で、週刊誌の連載も5つ~6つ抱えていた石原氏。
体力が有り余る30代はじめの頃には、当然ムチャをする。こう回想しています。

 「その年の暮れ近くにいつになく疲れた感じがしていたので、珍しくも、今年の暮れは家族全員して、どこか温泉にでも行ってのんびりしようか、などど考えていたところへ ベトナム行きの誘いがあり、
・・・・中略・・・・・・、
好奇心のせいで行かぬと約束してきた(戦争の)最前線まで出かけてしまい挙句心身へとへとになって、そこにウィルスに付けこまれ感染してしまい、それに気づかぬまま日本に戻ってきた・・・・」

 肝臓障害で入院し、毎日ベッドの上で背中でもたれながら、連載の原稿を書く。書きながら石原氏は、ふといろいろ考えたのですね。そんな折、一通の手紙が届く。

 「そんな中で、三島由紀夫氏から病を見舞う手紙をもらいましたが、自分も同じ病気の経験があるが、実に陰湿な病だけれどこうなったら気を落とさずに正面からこれを人生の大切な出来事、せっかくの機会として捉えて達観し自分の人生を含めて世の中のすべてをじっくり眺めなおしてみたらいいと書かれていました。
 敬愛する先輩からのこの手紙でどれほど勇気づけられ、かつまたそうだ その通りだと覚らされたものだったろうか。

 そして私はその間今まで考えたことのなかったこの日本という国について、つい最近訪れて目にしたあのベトナムという国で感じた、あの国の将来の運命と重ねて考えるようになりました。
 ・・・・・・・中略・・・・・・・
あの国は間違いなくやがて共産化されるだろう。
・・・・日本も下手をするとやがて同じ運命をたどりかねまい、
・・・・・・中略・・・・・・
だとしたら自分はどうしたらいいのだろうかとも。

 そして1ヶ月余ベッドに寝たままででいる間にとうとう、それならば自分自身で政治に参加するべきではないかと結論するに至ったのです。・・・・・中略・・・・・そうしてベッドを離れる前に私は次の参議院選挙に立候補する決心をしていました。」
(『老いてこそ人生』 石原慎太郎 著より)

 このように、石原慎太郎氏が、政治家に転身の志を立てたのは、病室のベッドの中だったのです。

 病気・・・、でもそれを人生を省みるときと捉えチャンスと取るか、ただの障害と取るかで、運命は分かれて行きます。

 そして、行き詰まり(実際の行き詰まり、また 気持ちの行き詰まり)は、
「あなたの行くべき道は違うよ、そっちじゃなく、こっちへ行きなさい!」、という合図の場合も多いのです。

 という事で今日は、<行き詰った時は、次の人生への好機> というお話でした。

 今日の更新時間・・・22:13

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