2012/08/03
強いものは弱く、弱いものは強い
<老子に学ぶ>
昨日はブログで、子供時代に身体が弱く、それ故に健康に人一倍気を使い、努力を続けたことで、106歳直前であるのに まだまだ元気な曻地三郎さんのお話をしました。
実際、世の中を見渡せば、子供の頃に病弱だった為、それを健康法を続けることで克服し長寿者になるケースを多く見ます。
100歳になっても。ゴルフで18ホールを回った医学博士・塩谷信夫先生などは、その代表的なケースです。塩谷先生は、子供の頃は病気のデパートと言われて、「20歳までもたないだろう・・」 と医者から言われていた人でした。それを呼吸法を毎日行い、驚異的な”元気な長寿”を手に入れました。
反対に、元々丈夫な身体の人は体力を過信し、大酒を飲み続けたり、身体を酷使して若死にする人が多いのは、枚挙に暇がありません。
つまり、強いものは弱く、弱いものは強い、という事になります。
これは、老子の言う ≪弱者の徳≫、にも通じます。
ではその、老子の第76章を解説してみましょう。
老 子
参考資料 {老子 第76章}
第七十六章 ≪原文≫
人之生也柔弱、其死也堅強。萬物草木之生也柔脆、其死也枯槁。故堅強者死之徒、柔弱者生之徒。是以兵強則不勝、木強則折。強大處下、柔弱處上。
第七十六章 ≪書き下し文≫
人の生まるるや柔弱(じゅうじゃく)、その死するや堅強(けんきょう)なり。
万物草木(ばんぶつそうもく)の生まるるや柔脆(じゅうぜい)、その死するや枯槁(ここう)なり。
故に堅強なる者は死の徒(と)にして、柔弱なる者は生の徒なり。
ここを以(も)って兵強ければ則(すなわ)ち勝たず、木強ければ則ち折る。
強大なるは下(しも)に処(お)り、柔弱なるは上(かみ)に処る。
第七十六章 ≪解説文≫
弱者の徳・・・
人が生まれた時は体は柔らかく弱々しいが、死におもむけば堅くこわばる。
草木もまた生まれた時は枝も柔らかく脆いが、やがて死に至れば枝も干からび枯れてしまう。
ゆえに、強いものは死の道を往き、弱いものは生の道を往くものなり。
だから、兵を用いるに堅強ならば敗北するし(柔軟であれ)、樹木も堅く強ければかえって折れてしまう。(柳に雪折れなし)
結局のところ強いものは弱く下位に位置し、弱いものは強く上位に在る。
(柔弱こそが命のおお本であり、古来、女性の生命力の強さは人の知るところである。)
という事で皆さん!
身体が弱い、学歴がない、その他コンプレックスがある etc…の人は、努力してかえって、元からそれらが備わっている人よりも上の幸せになれる、という訳です。
今日の話が、皆様の人生の参考になれば幸いです。