北枕の話・・・体にいい寝方向は?
●”北枕”の話は、お釈迦様から始まった
北に頭、南に足を向ける”北枕”は、体に良いという説と、縁起が悪い、という2つの説に分かれています。
皆さんも、北枕について、何か聞いたことがあることでしょう。
そもそもこの北枕の話は、遡(さかのぼ)ること2,500年前、釈尊がお亡くなりになった時の様子が、仏典『涅槃経』(ねはんぎょう)に次のように記してあったからでした。
「その時世尊は右脇を下にして、頭を北方にして枕し、足は南方を指す。面は西方に向かい・・」(涅槃経)
* 涅槃経・・・
正式には大般涅槃経(だいはつ ねはんぎょう)という。原始仏教の経典。釈迦の晩年から入滅前後までを伝記的に述べながら、仏教の基本的な立場を明らかにしたもの。
あの お釈迦様が北枕で亡くなられた。だからきっと縁起が悪いんだ・・と短絡的に考えた人が言い出したんでしょうね。
考えてみて下さい。お釈迦様ほどの方です。悟りだけでなく、「気」の達人でしたから、体に一番いい方向をご存知だったに違いありません。ですから最期に、自然に南北に体を合わせて休まれたのでしょう。
●”北枕”は自然に則してた寝方である
北枕にするといい というのは、地球の地磁気が影響しているらしい、という説もあります。
自然のままに生きている動物たちは、目に見えない磁気も自然に上手く取り入れているようで、こんな研究報告もありました。
「牛や鹿は南北方向に体をそろえて休むことが多い」、との研究報告が、ドイツとチエコの国際チームの発表であった。
研究者たちは、グーグル・アースで世界308ケ所の牧場の様子を観察し、8510頭の牛の体の向きを統計分析したところ、この結果が出たと言います。
ところで私の寝方向は、見事な”北枕”になっています~。それには理由があります。
昔、いろいろ方位学の研究に没頭し、何でも試していた時期のことです。研究の一環で、毎日いろいろな方位に頭を向けて寝ていました。どの方位に頭を向けると快適な目覚めか、と。
母が上京した時にも、日ごとに、あっちやこっちに頭を向けて寝させたりも したものです(笑)。
そして実験に実験を続けた結果、北枕が一番気持ちいいと感じ、ここ10年以上 ずっと”北枕”で通しています。
皆さんは、どっちの方向に頭を向けて寝ていますか?