2012/08/22
世界一になるには、
人と違った得意技を極めることだ
まともに戦って、その分野でトップになるのは並大抵のことではありません。
最後まで勝ち上がってくるものは、どれも優れた人たちばかりです。
しかしその中でも最後まで勝ち抜き、トップにまでなるのは、やはり得意技、オリジナルな技術を身に着けた人です。
それは、スポーツのみならず、企業競争や商売、人気業、芸術、いや、ありとあらゆるものにおいて。
そんな分かりやすい好例が、オリンピックには沢山ありますので、幾つか紹介しましょう。
オリンピック特集が多くの雑誌にありましたので、そこから抜粋。
代表的なのは、’64年の東京オリンピックで金メダルを取った東洋の魔女と言われた女子バレーボールチーム。
決勝では、身長が180センチ級の選手をそろえるソ連を相手に、小柄な日本チームは「回転レシーブ」というウルトラCの守備力によって、相手の猛攻を防ぎ切り、結局ストレート勝ちしました。
続いては’72年のミュンヘンオリンピックで金メダルに輝いた松平康隆監督率いる日本男子バレーボールチーム。
’64年東京オリンピックで銅メダル、’68年メキシコオリンピックで銀メダル、ときて、3回目のチャレンジで金メダルに輝きました。
松平監督は、金メダルを取る目標を掲げ、それが達成できる事を考えに考え抜きました。
まずは世界に対抗しうる大型選手の発掘をしました。大古誠司に加え、横田忠義、そして森田淳悟各選手と身長190センチ台の選手を全日本に招集。
そして、そこからオリジナルのウルトラC・「時間差攻撃」を編み出し、さらに森田選手の「ひとり時間差」も生み出し、激戦を制し、世界一、金メダルの偉業を達成したのでした。
もう一人いきましょう。
’88年のソウルオリンピックで100メートル平泳ぎで、金メダルに輝いた鈴木大地選手。
彼の場合、勝利の決め手となったのは、「バサロ泳法」でした。これは潜水したまま泳ぐ泳法で、体にかかる負担を軽減し、より早く泳ぐことができるというもの。
ただ、他にもバサロ泳法を使う強豪はいたのですが、鈴木選手だけは、水中で行うドルフィンキックの数を増やし、潜行距離を伸ばした点が勝因でした。決勝では、それまで21回だったドルフィンキックを27回に増やし、30メートルまで潜行してトップに躍り出ました。そして金メダルに。
大地選手は、過酷な練習をするうちに、手の指の間に水かきができたというのは有名な話。
私の知り合いがテレビでその指の水かきを見て、ビックリして話していたのを思い出しました。
大地選手は、金メダルへの道のりを振り返ってインタビューで、こう答えています。
「世界で一番になるためには、人と同じではダメなんです」
という事で、練習を一所懸命するだけではトップになれません。
それに加えて、ユニークな発想の何かが必要、という訳です。
*今日のような内容の話は、『人と同じじゃ意味がない』(西谷泰人 著 創文刊)に、たくさんご紹介しています。
ご参照ください。