2012/10/24
不便な方が良かったこともある

今日私は、髪をカットしてもらいに出かけました。
 数年前までの25年以上というもの、自分の髪は自分でカットしていたのですが、最近は美容師さんにやってもらっています。

 今日の日記は、その美容院で出たお話です。

  便利なために、失ったこと

 時代とともに生活が便利になって、暮らしやすくなりました。

 至る所で、快適な室内温度を保てることが当たり前ですし、何でも欲しい物がすぐ手に入ります。
 携帯電話やメールのやり取りで、連絡を取りたい相手に、簡単に、いつでも連絡が取れます。

 そうなると恋人から、「今何してる?」 なんてメールが来たりして、すぐに返事をする。
 もし返事を少しの間返さないと、相手から「どうしたの?」 「何で返事くれないの?」 となる。

 それでなのか、最近の20代の男性の多くは、「恋愛は面倒くさいもの」と思っているそうです。
 本当は、人にとって恋愛は、心をときめかせ、胸を膨らませ、情熱を燃やすものなのに・・・。

  昔は不便だったから、一回ごとの触れ合いを大切にした

 一昔前の恋愛は、今とはずいぶん違っていました。

 私の姉と旦那さん(私の義兄)の恋愛時代を、私はよく知っています。不便でしたが、情緒がありましたよ。
 昭和46年頃(今から41年前)の話です。

 当時も今も、姉は鳥取県の倉吉市に住んでいるのですが、彼氏(現在の夫)は学生なので、東京暮らしでした。

 私が上京した時に、彼氏の住む高円寺駅近くの6畳一間の安アパートで、3日間お世話になったことがありました。
 彼氏は、毎晩10円玉を40枚ぐらい持って、3分ほど歩いた所の道端の電話ボックスに行き、鳥取の彼女(姉)に電話を掛けるのですね。

 当時は、10円玉でしか掛けられない公衆電話です。100円玉でも掛けられる機種は、その10年後?、テレホンカードはそのまた10年? ぐらい後でしょう。そして、大型の携帯電話が登場したのは、さらにそれから10年後、その数年後に今のサイズの小型の携帯電話が登場しました。

 40年前の公衆電話では、東京~鳥取間の遠距離ともなると料金が高い。10円玉の落ちるスピードの早いこと。
 10円玉がポットン、ポットン、ポットン、ポットン、という速度で落ちていきます。
 (1度に10枚までしか入れられないので、上手に入れないと通話が切れてしまう)
 1分で300円ほどだったと思います。

 ですから要点を絞って、話をする。声を聞けるだけで嬉しい、という感じです。
 言い忘れたことがあっても、その日は終わり。翌日までは、お互いに連絡はまったくしませんし、ありません。

  話せなかったことを、手紙に託す

 でもその不便さのゆえに、互いの思いは強くなったのではないでしょうか。不便な方が、かえって恋愛には良かった側面もあると思います。

 姉から聞いた話では、東京の彼氏(現・夫)から、3日に1通のペースで手紙をもらったとか。
 それがダンボールいっぱいになり、姉は今もそのダンボールごと、大事に持っています。

 という事で今日は、「不便な方が良かったこともある」というお話でした。

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