2013/9/5
ストレスだらけの生活も悪くない

 

ストレスだらけの日常生活

 私たちは、多くのストレスに囲まれて生きています。

 リストラにならないか、ローンが支払えるか、病気は大丈夫か、老後のこと、家族の介護のこと、そして子供のこと・・・、などなど。
 生きていくだけでも、もうストレスだらけです。

 では、ストレスがなければ、理想とする〝幸せな生活”が手に入るのでしょうか。
 今日は、そのことをお話しします。

  恵まれ過ぎた環境で、半年暮らす

 アメリカの行動分析学者・スキナーの実験を紹介します。

 バラス・フレデリック・スキナー・・・ 1904年3月20日 – 1990年8月18日。
 アメリカ合衆国の心理学者で行動分析学の創始者。20世紀において非常に影響力の大きかった心理学者の一人で、自らの立場を徹底的行動主義と称した。

 実験は・・・。
 複数の人を「A」と「B」の2つにグループに分け、
 Aグループには最高の環境を用意し、Bグループには悪い環境を用意したのでした。

 Aグループが「テニスをやりたい」 といえば高級車でテニスをコートまで送迎する。
 お腹が空(す)いた」 といえば最高級の料理をすぐに用意しました。
 それに対し、Bグループには何の援助もしませんでした。

 それで、6ヶ月後に両グループを調査したところ、どうだったか。
 Aグループは昼も夜も、ぐうたら寝てばかりの怠けもの集団になっていましたが、
 Bグル―プは全員で知恵を出し合い、工夫をしながら、いきいきと生活をしていたと言います。

 この実験でも分かるように、我々は、ストレスがほとんど無い環境に暮らすと、心身ともにめっきり弱くなって、怠け者人間になってしまうのです。

  適度なストレスは、幸せの為に必要だ

 もっとも、Aグループの人たちが、今後も一生、同じような恵まれた環境が続くのでしたら、怠け者だろうと何だろうと構わないでしょうが、どの時代でも、どんな国でも、そんな甘い人生はあり得ません。

 まして、何か志を持ち、達成したい目標があるのならば、その人が乗り越えなければならない試練やストレスは、計り知れないほどあるでしょう。

 となると、この6ヵ月間の、楽過ぎた環境で思い通りに楽しんで来た人たちには、今後の人生の辛さたるや、想像以上に身に滲(し)みることでしょう。

 中には、耐えられなくなって、人生の落伍者になってしまう人もいるかもしれません。

  身体的にストレスが無い、宇宙飛行士の帰還後は・・・

 宇宙飛行士が、無重力のロケット内での生活に慣れると、重力のストレスが無いため、筋力や骨がみるみる弱くなっていく、というのはご存知の方も多いでしょう。

 その為宇宙飛行士は、宇宙からの帰還直後は、足が上がらなくてつまずいたり、とにかく身体や頭が重くて大変だそうです。
 「物の重さが、宇宙へ行く前の感覚の2倍くらいに感じる(紙、鉛筆、手帳、携帯電話など)/古田飛行士 談。

 それは無重力状態の、体にストレスがない飛行船内にしばらく居たので、腕、足、腹筋をはじめ、首の筋肉がすっかり衰えてしまっていた為です。
 宇宙飛行士は地球への帰還後は、まずリハビリを一所懸命にします。

 また、スペースシャトルで帰還した若田飛行士のインタビューによると、最近では、宇宙船の中で、無重力でも筋力を鍛えられるマシンがあって、飛行中に毎日2時間、筋肉が衰えない運動をしたそうです。ですから、帰還後もほとんど身体の筋力は大丈夫だったといいます。

 このように、ストレスが無い状況でも、自ら進んでストレスを与えることで、身体の衰えは防ぐことが出来るんですね。

 皆さん、ストレスは有難いと思うしかありませんね。
 うん?「夫(女房)からのストレスが大きい」って? それって素晴しいじゃありませんか。

 あなたがストレスに強い人でいることが、結果的には一番楽に人生を歩むことになります。

 恵まれ過ぎていたら、精神力、筋力がなくなって、何もできない人間になってしまうかもしれませんよ。

 *ストレスの必要性については、私の『占い師は運命の医者である』(創文刊)の第六章 「悪者?ストレスの正体」 でも、多くの実例を挙げて紹介しています。ご参照下さい。

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