2014/1/25
Aさんが、“情けない人生?”になったのは・・

Aさんが、“情けない人生?”になったのは・・

 先日鑑定にいらっしゃったAさん(男性 29歳)は、開口一番、
 「先生、今日は僕の情けない人生を聞いてください」 とおっしゃった。

 「情けない人生って? 今、どういう状況なんですか?」
 と私が尋ねると、Aさんから、こんな答えが。

 「はい、大学を卒業してからというもの、ここ5年間仕事に就かず、ずっとプータローをしています」 という事でした。

 「5年間プータローか・・、なぜそうなったんだろう?」 と思いながら、彼の話を聞くと、
 「なるほどな…それじゃあプータローになるだろうなァ」、と思いました。

 Aさんは、次のような人生だったのです。

  教育熱心な両親に、
  小Ⅲから、習いごとと、塾三昧?の日々を強要される

 Aさんは長男で、その下に次男、3男と続き、最後に妹が居る4人兄弟です。
 父親は開業医師で勉強ができ優秀な成績。母親は、とても教育熱心でした。

 それで、Aさんはどんな子供時代を送ったかというと・・・。
 Aさんが小学校3年生の時から、母親が自分の趣味だったという習いごとを、次々にやらせたそうです。

 1-器械体操
 2-水泳
 3-サッカー
 4-ドラム

 母親としては、長男に得意なことを見つけてあげようという気持ちだったそうですが、Aさんは、どの習いごとも全部嫌いになったそうです。
 ですから、何一つものになるものはありませんでした。

 「何なのこれ~。何で僕、こんなことをしてるの~」 と、ドラムを叩きながら、子供心に思っていたそうです。

 そして習いごとの後や、習いごとが無い日は、Aさんを、塾という塾に行かせる両親でした。
 更にその他の空き時間には、家で毎日5時間の勉強を父親が付っきりでやったそうです。

 小学校3年の時に、1日5時間はすご過ぎますね。
 (私の小Ⅲの頃の同級生の学校以外の平均的勉強時間は、確か30~40分ぐらいじゃなかったかな。お受験や塾など全然なかった時代ですから)

  友だちは小学校の3年から、誰もいない

 ですからAさんは、習いごとと、塾、家庭での5時間勉強で、小学校3年生からは、友達がまったくいなくなったそうです。友だちに会っている時間が全然ないからです。
 でも、親に反抗できない子供のAさんは、毎日、大変な葛藤をしていたのでした。

 「その結果、すっかり人格が歪(ゆが)んでしまいました」 という彼の言葉は、悲惨な感じがしました。
 じゃあ、Aさんの反抗期はどうだったかというと、父親がとても怖い人だったそうで、反抗の気持ちを態度に出せずに終わってしまったそうです。

 その後、高校を中退し、大検を受けて、大学に進学しました。
 それで、その後は、最初にご紹介した通り、大学卒業後に、5年間プータローをしているという訳でした。

  燃え尽きてしまった・・

 嫌なことを、思いっ切りやらされ続けたので、Aさんは、燃え尽きてしまったのではないでしょうか。
 その反動で、5~6年は何もしないで休まないと、ボロボロになった心が回復できないのです。

 これは、一種のうつ病状態です。
 うつ病は、やり過ぎた反動、ストレスでボロボロになった心を、何もしない(何もできない)療養期間2~5年を経て、元に戻るのと同じです。

 人間は、嫌なことをやり過ぎると、反動で何もやらなくなる(やれなくなる)のです。

  両親は、Aさんの弟、妹には、自由に好きな事をやらせた

 ところで両親は、Aさんの兄弟たちには、どう接したかというと、長男のAさんで失敗したからと、他の兄弟3人には、習いごとも、塾通いも一切強要しなかったそうです。
 やりたいと言ったら、やらせ、嫌だと言ったら、やらせなかったそうです。

 結果、長男は医大、次男は音大(ピアノ科)、妹は医大と、皆それぞれ好きな分野、目指す分野で大いに伸びているのでした。

 最後に、Aさんの今後の人生ですが、手相を拝見すると、
 「今年初めで、傷付いた心身の修復期間(約5年)は終了し、今春から目標が出来、元気になって社会的活動を始める」と出ていました。

 それを聞いてAさんは、急に顔が明るくなり、元気になってお帰りになりました。復活を楽しみにしています!

 という事で、鑑定のこぼれ話でした。

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