2006/05/29
★漫画家志望の彼女へ・・・、もう一言

 昨日の続きです。

 昨日鑑定した、7年間アルバイトをしている34歳の漫画家志望の女性に、私は続けてもう1つ、ニューヨークの熾烈な売り込み競争の実態を話しました。(彼女は数回、出版社に売り込んだものの断られ、自分の作品の売り込みを半ば諦めかけている)

 「私は渡米して半年後に、ニューヨークの街角に置かれている Free Paper(無料新聞)に、私の曲を歌ってくれるシンガーを募集するための、最小枠の縦1センチX横4センチの広告を出しました。
 すっごくちっちゃな英文で、『A Japanese producer looks for a singer.・・・』(日本のプロデューサーがシンガーを探している。ー連絡は00までー)って。それだけの広告でした。

 それで、約10日間で何件の申し込みがきたと思いますか? 450件でした。450件。それぐらい売り込み競争は熾烈であり、みんな必死なんですよ。どんな新聞のちっちゃな広告も絶対に見落とさない。

 

もしあなたが、ニューヨークのレストランに行く事があったら、そこのウェイターやウェイトレスに、「君の将来の夢は何?」って聞いてごらん。みんな、「僕はカメラマン志望です」「私は歌手志望」「俺はデザイナー志望」「僕は俳優志望さ」、と言うよ。そんな若者がウジャウジャいるんだ。
 
彼らは売込みをしていく生活費を作る為と、レストランに食事に来る有名プロデューサーやアーティストにコネを付けたくて、毎日チャンスを伺っているんですよ」

 この熱意は、何事を成就しようとする場合にも同じく必要です。成功する人は、みんな必死なんです。私は彼女に、売り込みの2回や3回出版社に断られたぐらいでくじけるようじゃダメ、と伝えました。私だって20歳の時には、曲の売り込みにレコード会社、音楽出版社を50社以上回って、ようやく1社通ったんですから。

 

私はアルバイトで一応不自由なく生活できている彼女に、何のためのアルバイトか、もう一度よく考えてみるように話し、売り込みの話を終えました。

 人はぬるま湯に浸かっていると、なかなか出られなくなって、年を取っていくんです。

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