2012/1/16
不幸は幸せに繋がっている

今日は、「不幸はよく見ると、幸運に繋がっている」、というお話です。

 不幸を逆転した話として、ここではチェコの作曲家 アントニン・ドヴォルザーク の話をしましょう。

 彼はチェコで音楽家として ある程度の成功をし名誉を得た頃、開拓時代のアメリカの「ニューヨーク・ナショナル音楽院」の音楽院院長職への就任依頼が届いたのですね。

 一度は断るも、音楽院の理事長であるサーバー婦人からの熱心な説得と、高額な年俸提示をされたこともあり、渡米することに。(彼はこの時13歳を頭に、6人の子の父親であった)

 ところが、当時開拓時代のアメリカといえば、遠い異邦です。ホームシックにかかった彼はアメリカに来たことを後悔します。

 その寂しさの中、彼は故郷チェコに望郷の念を抱きながら作曲をした。それがドヴォルザークの生涯を通じての代表作、交響曲第九番『新世界より』 でした。

 彼は、不運を幸運に変えた のです。

 しかし、彼は単に望郷の念に駆られて名作が出来た、というものではありません。

 アメリカに渡り、音楽院院長として音楽教育に貢献する傍ら、ネイティブ・アメリカンの音楽や黒人霊歌を吸収し、自身の作品に反映させているのです。
 その斬新さがあったから 彼は歴史に残る作曲家となれた。

 どんな大変な環境の中でも、何か学ぼう、得てやろうとする人には、無駄な経験はない、という事です。

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